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二十世紀独和辞書

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今年初めての夢。ある大きな邸宅に親しい人を訪ねようとしているのだが、その苗字が思い出せず、中に入れてもらえない。親しいのにどうしても出てこない。表札があるだろうと、見たら、それは自分の名前になっている! 玄関先で思い悩んでいたらピピピピピピとアラームが鳴った。まるで催眠術が解けたように、その名前が浮かんできた。もちろん目覚めても大邸宅ではなかった。

『富士さんとわたし』に、奥さんの名前が三日間思い出せなかったという話が出ていて、ひょっとして、その影響かな、などといぶかしく思う。上の写真はわが家ではなく、ご近所の旧家の門扉。

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昨年最後の買物。藤井信吉『二十世紀独和辞書』(金港堂書籍、一九一五年五十一版)。目録に明治四十年と書いてあったので、初版ならぜったい安いと思って注文したものだが、奥付は明治四十年刊のように見えて、その次の二ぺージにわたってびっしり再版の日付が記されていた。ちょっとめげた。イラストがあったのが救い。

《近代に至るまで地域が分立していたドイツでは、地域によってドイツ語の綴り方にかなりのばらつきがありました。このばらつきを矯正したのが、ドイツ帝国成立後に行われた1901 年のベルリン正書法会議です。[略]こうした成果を日本でいち早く取り入れた独和辞典が、『二十世紀独和辞書』です。発音の長短高低、形容詞・動詞・前置詞の支配格をわかりやすく示すなど随所に工夫もみられ、この辞典は絶大な人気を博しました。》(国立国会図書館)

これは明治〜大正のベストセラーの辞書だった。または

《明治44年刊行の『獨和兵語辭典』(藤井信吉編;金港堂書籍株式会社)には Flugapparat, Flugmaschine(飛行機)が収録されているが、ライト兄弟がアメリカのキティフォークで59秒852フィートの初飛行に成功した1903年(明治36年)の8年後であった。因みに一般の独和・和独辞典に飛行機が登場するのは大正を待たなければならない。》(クラウン独和辞典―編集こぼれ話―(18))

という記述も見つけたが、この大正四年版『二十世紀独和辞書』に「飛行機」は取り入れられていない。まだ一般向けには必要のない単語だったか。

なぜか藤井信吉は生没年すら分かっていないようだ。ただ、上村直己「五高ドイツ語教授小島伊佐美小伝」にはこう書かれている。

《小島は明治二十八年(一八九五)九月十一日、東京帝国大学文科大学独逸文学科に入学した。主任教授カール・フローレンツの薫陶を受けた。同級に藤井信吉がおり、一級上に青木昌吉や登張信一郎(竹風)、二級下に高木敏雄がいた。藤井、青木、高木は後年五高でドイツ語の同僚になった人々である。》

第五高等学校の教師だったとすれば、藤井のことも、調べればすぐ分かるような気がするが、調べた人はいないのか。
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by sumus_co | 2009-01-03 21:25 | 古書日録
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