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![]() 上京中に頂戴した『箱組』No.004(roco morrisgumi inc. 二〇〇九年九月三〇日)と東京堂書店三階発行の『酒の本、酒と本』フェアーの冊子。石田千、大竹聡、両氏の選。 『箱組』は以前にも紹介したが、モノクロ出力の写真が迫力あり。吉上恭太氏の「サウダージ ぼくとギターと音楽と」連載を楽しみに読んでいる。今回、主人公は高校の軽音楽部に入りジャズをはじめる……。淡々としたタッチがいい。「[本]のメルマガ」に連載中の「ときには積ん読の日々」でも、独特の時間の流れ、文体で熱い時代を静かに語っている。 畠中さんに頂戴した『酒の本、酒と本』は書肆アクセス時代を思い出させる小冊子。石田さんにはじめてお目にかかったとき、たしか神保町の焼き鳥屋「八羽」の小沢信男さんのトークの打ち上げだったか、隣り合わせたのでお話をさせてもらったが、ほとんどずっと呑屋のことばかりを聞かされたような記憶がある。思わず連れて行ってもらいたくなるような話ぶりだった。 石田さんが選んだ五冊のなかに『千曲川のスケッチ』がある。どうしてかな? と思ってコメントを読むとこういうことだった。国語の時間に暗誦したのだそうだ、意味も分からず。 《最後に「濁り酒濁れるのみて」というところまでくるとほっとして、濁り酒はカルピスのようなものだろうかと想像していた。》 ![]() ◉11月24日〜12月26日 T's gallery 大阪市中央区伏見町3-2-4淀屋橋戸田ビルディング1階 tel. 06-6121-6150 ![]() ◉シュトックハウゼン 12/1 MOMENTE ◉オリヴィエ・メシアン 12/4 Et exspecto resurrectionem mortuorum ◉「パリのセシル・テイラー」12/7 ◉「リュック・フェラーリーある抽象的リアリストの肖像」12/15 同志社大学今出川校地 寒梅館クローバーホール http://www.doshisha.ac.jp/information/facility/kanbai/guide.php ![]() ![]() 東京駅丸の内口。煉瓦建の駅舎は現在改修中。この少し南にある「ヴィロン Viron」にてバゲット・レトロドールを購入せよという指令が某所から出ていたたため帰洛前に立ち寄った。見た目はまずまずのようだったので、レトロドールとファリネとパン・ド・カンパーニュを買うことに(味もまずまずといったところ)。 今調べてみると、「ヴィロン Viron」というのはパリの南西ボース(Beauce, 大聖堂で有名なシャルトルがある地方)で一八一五年に創業したというフランスの製粉会社「Les Minoteries Viron」の粉を使っているところからきているらしい。ヴィロン製粉はレトロドールというバゲット用の粉を製造し、レトロドール・ファミリーを作ってそのフランスの伝統的な味を普及させているようだ。 http://www.retrodor.com/index2.htm ![]() その後、荷物をコインロッカーに預けて、昨夜、トークにきてくださったNさん夫妻に是非見ておくように勧められた、上野の国立博物館で開催中の「皇室の名宝」展へ。駆け足で。「春日権現験記絵」が素晴らしいからとのことだったので、それだけを目指す。入場制限で10分待ちだった。案の定、ショーケースの前は一様に中高年の来場者で占められており、とにかくも人の垣根をぬって「春日権現験記絵」だけは目に焼き付ける。 ![]() 人物の描写はやや固めか。絵師は高階隆兼(たかしな・たかかね)とされているが、複数の手が入っていることは確か。工房作だろう。風景や植物の描き方はかなりの手練を思わせる。水鳥のシーンはじつに楽しい。庶民から貴族まで、モチーフとして選ばれた画面、またさりげなく人間的な仕草を織り込んだ構成も見事。鎌倉時代の日常の暮らしを眼前に見る思いがした。 ![]() 銀座線上野から半蔵門線三越前で乗り換え清澄白河へ。深川いっぷくへ戻り、T氏と合流。渋谷のウィリアムモリスへ案内してもらうことを約束していた。ウィリアムモリスは半蔵門線渋谷と表参道のちょうど真ん中あたり。表参道駅からだと中村書店の角を北へ(右へ)曲がり、最初を左へ入って次の路へ出る少し手前右側二階。おいしい珈琲と渋い内装に感服。ギャラリーとしても活動しており、毎年六月に本に関係した企画展をやっておられるそうで、来年は『ちくま』の表紙画展をやらせてもらえることになった。いろいろ話しているとオーナーの方は武蔵美の油絵出身、しかも同じ時期に在学していたことが判明。人のつながりはふしぎである。 半蔵門線で大手町、丸ノ内線で東京、夕刻の新幹線にて帰洛。 ![]() 渋谷から銀座線・丸ノ内線と乗り継いで荻窪へ出る。ささま書店へ直行。店頭百円均一が名高いが、店内も見る値打ちは充分にある。海外文学や詩集のコーナーをじっくりながめる。岩佐東一郎宛署名入り渋沢孝輔『場面』(書肆ユリイカ、一九五九年)があった。田中栞女史によれば奥付の著者名が間違っている珍本。他に渋沢の名前と所書きだけを切り取った封筒の断片が挟まれていた。お値段はそれなりだった。結局は三好達治『故郷の花』(創元社、一九四六年四月一日)二百円だけというお寒い買物。すみません。 ![]() ![]() 十九時前に古本酒場コクテイルへ。高円寺の駅前も少し変わったようで道に迷うかと心細かったけれども、難なく到着できた。トークショーは満員御礼、入れなかった皆様、申し訳ありませんでした。 ![]() ![]() 小雨の渋谷でポスターハリスギャラリーを探す。東急本店角から左手 Binkamura の方へ曲がりラーメン「あかなす家」の角を左、最初の路地をさらに左に入ると突き当たりのビル。階段をトントンと上がった一階の奥である。ラブホがあったり鉄工所があったりとなかなかアメージングな路地。 「アトリエ空中線十周年記念展 インディペンデント・プレスの展開」。Jシュールとでも呼ぶべき系列の作品や出版物が並び、とても素敵な展示になっている。京都ではおなじみ、空中線の造本は一種独特のもので、自分ではとうていこんなふうな本は作れないが、それだけに憧れを覚える。記念図録(上の写真のポスターと同じ、その下は同ビルの住居表示)を購入する。これを求めるとギャラリートークの参加資格ができるらしい(第二回は28日、詳細はHP参照)。 ![]() ![]() ポスターハリスギャラリーから駅の方へもどって渋谷古書センターをのぞく。地図が不備だったためたどり着くのに苦労した。一階の店は土地柄か大人の本棚のあたりがにぎわっている。二階の Flying Books をゆっくり見る。ここで出会ったが百年目というのがなくて(だって東京じゃあ、ありきたりの本は買えないよ、荷物になるし)手ぶらで撤退。一階に降りたところの文庫棚にサド『美徳の不幸』(澁澤龍彦訳、角川文庫、一九七一年四版)が目についた。ありきたりだとは思いつつ安さにひかれて求めることに。書店カバーが気に入った。 ![]()
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